樹海のふたり [映画]

日本人たるもの、一生に一度は訪れたい場所。富士山。
その傍に広がる広大な森は『樹海』と呼ばれ、
毎年多くの自殺志願者が赴く場所となっている……。

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てなワケで、樹海のふたり。
インパルスのコンビが主演とは言っても、
正直長らく地上波とオサラバしている身としては
GEININSAN?くらいの認識しかない。
しょうがないじゃない。WOWOWの3チャンネルだけで生きてけるんだもの。

まあ、そんなことは置いといて。
あらすじとしては、TV局に勤める下っ端Dの竹内・阿部が
ドキュメンタリーのネタ欲しさに飛びついたのが「樹海の自殺志願者を止める」こと。
樹海に入り、自殺寸前の人間に声をかけて思い留まらせることで、
『樹海』という場所のリアルとお涙頂戴物語をお茶の間に届けようというもの。

しかし、現状はなかなかうまくいかない。
自殺志願者を見つけるだけでも一ヶ月かかり、
ようやく見つけたと思ったら、目の前で逃げられ、
掴んだネタを逃してしまう。
やっとの思いで見つけた自殺志願者。
「母親を殺してきた」とのたまうその男をうな重一杯で樹海から連れ出し、
送った先は警察署。

「裏切り者!」と罵声を浴びせてくる男の姿に、
阿部の中に一つの疑問が沸いてくる。
どん底の生活の中で、男は死を願っていた。
しかし、自分達の行ったことは男の生命を救う一方で、
彼を再びどん底の生活に突き落とすことになる。それで良かったのか……と。

*****
こんな感じで書くとかなりのどシリアス展開か、と思いきや、
要所要所にコメディの要素も挟んでくるので、割と楽に観ることが出来る。
阿部が宿泊先のホテル職員のおばちゃんの豊胸に見とれつつも、
台詞だけはシリアスぶっこいてるのも結構笑えた。

それにしても、二人の演技がかなりナチュラルで上手い。
最初は竹内役の板倉が若干棒読みかな……と思っていたけれど、
後半になって、仕事でのクールな一面と、
自閉症の息子を抱える家庭での寡黙で穏やかな父親の像との対比が
非常に上手く浮き彫りになっていた。
そして阿部役の堤下もすごく自然体で好感が持てた。

しかし、個人的に一番観て頂きたい点としては、
エンクミが吃驚するほどに美女。
今の彼女がショムニに戻ったら、確実に高島礼子がかすむ。

キャストの件はさておき、物語の展開も、
樹海のドキュメンタリーを撮るという視点のみならず、
下っ端Dのその日暮らしな生活や、テレビ局ならではの縦割社会、
竹内家の視点から、自閉症の子どもとの関わり方や家族ならではの悩み、温かみ、
阿部のおばちゃんとの色恋(笑)や男やもめの父との難しい関係性など、
僅か二時間ばかりの上映時間だというのに、それぞれの人生に対し、
非常に丁寧に撮られていた作品だった。

芸人に興味がある方も無い方も、
等しく色んなものを持ち帰ることの出来る“小粒の良作”。
もちろん『樹海』という場所に興味のある方にとっても
大いに楽しめる映像となっておりました。

ただ、残念なことに、
私が観たユーロスペースでは上映中三回ほど映像が飛んだんだよね。
しかもラストのすごく良い場面で飛びよった(汗)。
ユーロのスタッフさんに↑の件を告げたら、
ごめんなさいって謝ってくれて、招待券をもらえた。
時間ある時にもう一回観に行くつもり。
でも、申告したの私だけ?他の人は何も言わずに帰ってたみたいだし……

映画に多く接することの出来る地域の人って、
一作品に対してあんま愛着が湧かなくなるもんなんかしら?
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